バイナリーオプションのマルチ商法の勧誘を受けたのでバチバチに論破して友達の洗脳を解いた話
登場人物
俺
友達M 大学四年生 春から大手企業の営業職で働く
勧誘者S(ドンキーコング) 新卒一年目→フリーランス 某超有名体育会出身のゴリゴリの叩き上げ
(特定を防ぐため一部改変&ぼかしてあります)
就活で知り合った友達Mから飲みに誘われたから、ホイホイついていったら「ビジネスのいい話がある」「会わせたい人がいる」と言われ、いつの間にかルノワールに通されていた。
この時点で少し怪しい予感はあったけれども、友達もそこそこ頭のいいやつだったし、まさかな~なんてと思っていた。
10分後、奥から高そうな指輪と腕時計をつけた、営業マン風の男が白い歯を覗かせて登場。学生時代はガッチガチの体育会に所属していたらしく、良いガタイをしている。もちろん日焼けもしている。
だいたいこういうイメージ。便宜上彼のことをドンキーコングと呼ぶことにする。
ここで俺、なんとなく把握する。もしかしたらマルチかもしれないな。
もしマルチだったら完全に論破してやるぜなんてワクワクしつつドンキーの話を聞く。
「将来やりたいことをやるために、人脈と金を手に入れよう(意訳)」と言われた時点で笑みが溢れる。 あーこれ絶対ヤバいやつだなと確信し、すかさずボイスメモを起動。
肩で風を切りながら現れた彼に、5分ほど「会社員をやっていても結局搾取されるばかりだ」やら、「体ではなく仕組みでお金を得よう」やら、脱社畜サロン的なサムシングを更に薄っぺらくした話を聞かされた。
僕も半分ニヤニヤしつつ「いやーそうっすよね。稼ぎたいっす。」「めちゃくちゃわかります。実力で評価されたいっすよね」なんて相槌をうつ。
そしてその時は訪れた。
バイナリーオプションって知ってる?
キターーーー!!!!!!!!
マルチ確定! ジャックポット!!!!!レスバトルの時間だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
と内心小躍り。マルチ確定 ネズミ講バンザイ。 ていうか今何年だ。2019年だぞ。そんな化石みたいな商材を売るな。 もっと時代にあった良い商材あるだろ。インフルエンサーマーケティングとかどうですか?
あとはこのドンキーに掴みからの確定コンボ入れて3タテするだけだなと思いつつ話を聞く。
要約すると
・良いバイナリーオプションのシステムがあるので50万で買わないか。
・買ってくれれば僕らの組合にいれてあげるよ
・買っても利益率400%の商品だから、速攻でペイできるよ
・それに、このバイナリーオプションを紹介してくれば、紹介料ももらえるよ
・組織には沢山の人がいるから!経営者とかもいるよ! やりたいことがあれば支援してくれるよ!サロンには一万人いるから、クラウドファンディングすれば40%くらいの人が支援してくれると思うし、そしたら4000万だよね!!
というコッテコテの糞マルチ。 平成の終わりに与沢翼を復活させるなよ。。。
経営者ってなんやねん。◯◯の会社を運営してて年商がいくらで~みたいな話は一切なし。そんなんで経営者なら俺だってブログで月1000円くらいもらってるから立派な経営者だわ。
ちなみにバイナリーオプションの紹介料は一人あたり5万らしい。商材が50万なので10%である。情報商材のくせに紹介料絞りすぎで草
ちなみにドンキー、喋りはめちゃくちゃ上手くて45分くらいずっと喋ってた。体力あるよねやっぱり。
一通り話を聞いたあとにやっと質問タイムがきた。 1時間近くも夢とか将来とか抽象的な話をされ続け頭がおかしくなりそうだったがやっと反撃できる。
まずはジャブを打つ。
僕「クラウドファンディングで本当に4000万も集まるんですか?」
ドンキー「集まるよ!!!!!!」ドン!!!!!
・・・話が終わってしまった。 さすが重量級だけあって一発一発の攻撃が重いぜ。
僕「LINEやってます? 例えば友達が200人いたとしますよね。その人達からもし1万円貸してくれって連絡がきたら、あなたは何人に貸しますか?」
「1万円貸せる関係性の人って100人もいなくないですか?お金の貸し借りができる人ってそのくらい貴重ですよ。」
「会ったこともない人にクラウドファンディングで支援するってつまりそういうことですよね?僕は会ったことない人に絶対お金なんてあげないですし。」
と畳み掛ける。とても気持ちいい。脳汁ドバドバ。俺のプレイスタイルはガン攻め。ピチューナーフしろ
ゴリラ「いや、俺なら貸すね!!!!!」ドン!!!!!!!
・・・こいつ強い。なんて純粋な目をしてやがる。前しか向いてねえ。止まるんじゃねえぞ。1+1は200だと思ってるタイプだ。10倍だぞ10倍
切り口を変えてみる。
「利益率400%っておかしくないですか?バイナリーオプションですよね? 勝ってる人がいるなら負けてる人もいますよね。」
「ウォーレンバフェットって知ってます?彼の利回りって何%でしたっけ?」
「そもそもそんなに儲かってるなら紹介料とか取る必要ありますか?僕みたいな学生に1時間も費やすなんて費用対効果悪すぎません?」
など、誰にでも思いつくような攻撃。おそらくこの辺に関してはスクリプトが用意されてるだろうななんて思いながら答えを待っているとすかさずゴリラ
「いや、僕が紹介した人は全員勝ってる」「僕は本当に良いと思う商品しか売らない」「別に強制してるわけではない。買いたくないなら買わなきゃ良いだけ」「別に紹介料なんて取らなくても良いくらい儲かってはいるけど、2足のわらじ履いている方が安心でしょ?」
とレス。
まあ確かにそうなんだけどね。嫌なら見るな。嫌なら買うなの精神。
ただこの論点ずらしが来たということは終りが近いと判断。 2chでよくあるパターンだよね。進研ゼミとかでもこの返し見たことある。
すかさず俺
「いや全員が勝つなんてありえないですよね? 証拠ありますか?」
「じゃあ僕まじで貢献するんで、紹介料なしで入れてくださいよ!」
と対抗。
ドンキーコング、苦笑の後
「いや別に僕は良いものを売ってるだけ。強制してるわけじゃない」
「隣の彼が紹介料払ってくれるなら全然いいよ。」
「全員が勝つなんてありえないなんて言われても、俺の周りは全員勝ってるから」
と、壊れたカセットテープのように「周りは勝ってるしおれは良いものを売りたいだけ」のリピート&リピート。これ以上掘れるものはなさそうだな。
結局無根拠と抽象で情弱煙に巻くタイプの営業手法か~と判断。ねちっこいタイプじゃなくて少し残念な気持ちに。まだまだやりたりねえぜ。対戦ありがとうございました。
とりあえずお金がほしそうなゴリラだったので、オンラインサロンとか今来てますよって教えてあげたら普通に感謝された。
あとは友達にネズミ講とバイナリーオプションについて懇切丁寧に説明して締め。飲み代おごってくれました。ありがとう。ごちそうさまでした。
まあよくあるマルチ撃退の話なんですけど、この話の何が闇が深いって
・友達は決して頭の悪いやつじゃないこと。
有名大の4年生で就活もそこそこ成功してるのに、こんなガバガバのマルチに引っかかるんだな・・・と。 利率400%の案件なんてレベル1の嘘じゃん。
・勧誘者も「本気でこの商品はおすすめできる」みたいな顔だったこと。
騙してやろうみたいな意図は感じられなかった。 多分完全に洗脳されている。
めちゃくちゃきっつい体育会系で過ごしてきて、他の同年代なんかより何倍も苦労してきてるだろうに、こんなしょうもないバイナリーオプションなんかに引っかかるなんて悲しい。 いつだって学がないやつが搾取される世界。 ドンキーだって立派な被害者。
・その後友達が「なんかおすすめの稼げるコミュニティない?」なんて相談してきたこと
あー全く伝わってなかった
多分また騙されるんだろうな。そこは悲しいけどしょうがないよね。一応脱社畜サロンをおすすめするのはやめておきました。
楽して稼げる方法なんてないっていう超単純かつ超当たり前な話でしかないのにね。
学があったり苦労してきた人でも、少しの知識があれば回避できるマルチにころっと騙されるっていうのは教育の敗北以外の何者でもないんだろうな。
単純な学力で言えば、今回騙された俺の友達よりも頭が悪い人のほうが日本人の多数派なわけで。 どれだけ潜在被害者がいるんだよ。そりゃー情報商材屋はたけのこのように出てき続けますわな。
あ、でもドンキーの喋りはめちゃくちゃうまかったんで下手な営業会社なんか入るよりもスキルはついちゃうかもな~なんて追加で思いました。良いやつそうだったし。
みんなもきをつけようね。